立ち止まってください!
もし、あなたが会社の舵取りを任された経営者なら、一度立ち止まって考えてみてください。
「うちの会社、このままでは頭打ちかもしれない…」
長年の奮闘で、ある程度の成果は出してきた。でも、次のステージに進むためには、何か目に見えない“壁”を感じているのではないでしょうか?
集客、ブランディング、優秀な人材の獲得… 課題は一つではなく、複雑に絡み合っている。まるで、エンジンが唸りを上げているのに、車輪が空回りしているような感覚かもしれません。
では、この状況をどう打破すればいいのか?
多様な個性を持つ社員たちを、「できる」「できない」といった単純な二元論で捉えるのは、あまりにもったいない。
一人ひとりの存在に、心から感謝する。自分とは違う意見を持つ人を、尊重する。
これが、停滞を打破する第一歩です。
そして、経営者自身、社員一人ひとり、組織全体で高めていくべきものがあります。
それは、「EQ(心の知能指数)」です。
「人間力」なんて曖昧な言葉で片づけてはいけません。
EQとは、単なる感情論ではありません。
個々の能力という機能面と、心のバランスが取れた状態を指します。言い換えれば、精神的に自立し、自分の個性を大切にしながら、他者と円滑に協調できる力。
「うちの社員は、デザインが苦手だ…」「デジタルに弱いから…」
そう感じた時、すぐに「だからダメだ」と判断するのではなく、「どうすればその弱みを補えるだろうか?」と考え、行動に移せる経営者、そして人材こそが、変化の激しい現代を生き抜くカギとなるのです。
シナジー(相乗効果を創り出す)
シナジーを「1+1=3以上を生み出す関係」と表現しました。それは、単なる足し算的な協力や、お互いが少しずつ譲歩する妥協とは全く異なります。
個々の持つ強みや、他者との違いを積極的に尊重し、活かし合うことで、単独では決して到達できなかった、想像を超える新しい価値や成果が生まれる状態。それがシナジーなのです。
中小企業経営者の皆様にとって、「シナジーを創り出す」ことは、まさに組織運営の最終目標と言っても過言ではありません。
社員一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出し、組織全体の創造性と生産性を飛躍的に高める。これは、厳しい競争を勝ち抜き、持続的な成長を実現するための、最も強力なエンジンとなるはずです。
多様な個性を持つ社員たちが、それぞれの才能を活かし、互いに刺激し合い、協力することで、組織はまるで生き物のように成長していきます。
その根底にあるのは、「個」の自立と多様性です。
トップである経営者が、組織全体の未来を描く壮大な夢(ビジョン)を示す。しかし、その夢が単なる自己満足や個人的な利益のためだけのものでは、真のシナジーは決して生まれません。
社員一人ひとりが共感し、「自分たちの夢」として共有できる目標があってこそ、それぞれの個性と能力が有機的に結びつき、想像以上の大きな力を生み出すのです。
ここで、経営者の個人的な願望だけではありません。顧客、地域社会、そして社会全体への貢献という、より大きな視点を持つことが、周囲を巻き込み、共鳴を生むシナジーの源泉となるのです。
多様な個性、異なる価値観、それぞれの経験… それらは、組織にとってかけがえのない財産です。もし、社員全員が同じような考え方しか持っていなければ、新しいアイデアは生まれにくく、変化への対応も遅れてしまうでしょう。
組織とは?
まるで、様々な種類の木々が集まる森のように、多様な個性が共存することで、強風にも負けない、豊かな生態系が生まれるのです。
真のシナジーは、表面的で安易な協調から生まれるものではありません。時には、意見の衝突や摩擦も起こるでしょう。しかし、それぞれの違いを認め、尊重し、徹底的に議論することで、より本質的な解決策が見つかることがあります。
それは、まるで異なる性質の金属を混ぜ合わせることで、それぞれの弱点を補い合い、より強く、より機能的な新しい合金が生まれるのに似ています。
だからこそ、組織として「シナジー」を創り出すためには、まず、社員一人ひとりが「私的成功」、つまり、自律心や主体性を確立していることが不可欠なのです。
不十分な価値観や、曖昧な夢しか持たない人が集まっても、表面的な協力関係しか築けず、困難に直面した際に、組織はもろくも崩れ去ってしまうでしょう。
真のシナジーは、自立した個々が、明確な価値観と共有された夢を持ち寄り、互いを尊重し、高め合うことで生まれます。それぞれの強みを理解し、弱みを補完し合い、時には意見の衝突さえも乗り越えて、より高次の解決策を見出す。
それが、「シナジーを創り出す」の本質です。
この考え方を深く理解し、日々の経営に取り入れることで、あなたの会社は、想像もしなかった成長の可能性を秘めた、力強い組織へと進化するはずです。
さあ、まずは、あなたの会社の社員一人ひとりの個性と才能に、改めて目を向けてみましょう。そして、彼らの持つユニークな力を心から尊重し、共に未来を創造していくための一歩を踏み出してみませんか?