人は行動するための理由が必要。それが経営理念
立派な経営理念を掲げても、日々の売上や経費の話の会議をしていては、理念が廃れます。理念自体には人格がないのですが、企業は法人なので人格があります。そして、企業理念は企業を成長させる大きな力となります。それが理解できない経営者は、人生における明確な哲学がないのでしょう。
経営理念は、「動詞」と私は何度も言ってきました。経営理念が社員に浸透しないのは、経営者が経営理念を軽視しているからです。つまり、自社の成長を放棄したことと同様です。
人は動く理由があって、初めて素直に動けるのです。
お金だけのためではなく、価値ある成果のために
経営する理由もなく、経営していると、この部分の大切なところが見えません。損得だけにフォーカスして、その損によって自分の人生を台無しにしてしまいます。価値あることをやっていれば、後は結果次第です。結果をコントロールしようとすると、その結果に機能不全が発生します。見えるものが見えず、顧客不在の経営になります。企業が成り立つのは、顧客との関係だけです。お金だけのためではなく、価値ある成果のために働くのです。
企業理念と戦略
企業理念も遂行せず、戦略もなしで、どのように経営するのでしょうか?残された要素は「運」しかありません。何度も「運」に恵まれることはないでしょう。
戦略を学ぶなら孫子の兵法ですね。企業戦略は複数あります。社員の成長戦略・顧客満足度戦略・出店戦略など様々な戦略があります。
彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず
紀元前5世紀、中国春秋時代に書かれた「孫子」という兵法書の一節です。つまり、敵も味方も情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないということです。
なお、戦国武将の武田信玄は、孫子の一節にある「風林火山」を旗にしました。孫子は戦争論を前提としていますが、現在では、孫子を企業戦略に応用しているビジネス書が多くみられます。
顧客を知り、自分を知り、社員を知ることができれば、あなたのビジョンも達成する可能性が高いでしょう。