知識労働社会の人材育成は?
営業力ある経営者がいつまでも営業に携わっていると会社は成長しません。営業力ある経営者は、社員を顧客として考えるくらい極端に「人財育成」を経営者の優先順位第1番の仕事にしなければなりません。そうでなければ、自社の成長を諦めたのも同然です。
全社員に経営理念が共有されている会社は「強い」。しかし、理念を重んじている経営者の多くが、「知識労働社会」の概念で経営理念を作っています。つまり、過去の経営の価値判断で経営者の都合の良い経営理念になっているケースや「ありがとう経営」という不明確な表現でごまかしている点も見受けられます。ドラッカーは、「知識労働者は賃金よりも社会的な認知や貢献というステータスを重んじる」と説いていました。モノを単純に作る時代は遠い昔に終わりました。ですから、知識労働社会の人材育成には、「自己実現と貢献」を重視した教育ともに理念が必要になります。
知識労働社会の経営理念の作り方
自己実現の時代に社会貢献と社員の自己実現にコミットした経営理念が必要です。そして、その経営理念から経営戦略を導き、人材育成が行われる必要があります。以下の価値観で作る必要ではないでしょうか。
1.社員の幸せの創造
2.社会への貢献
3.コアコンピタンスの創造
顧客への貢献や顧客への価値づくりなどは、企業として当然のことで、ここで理念とする必要はなく、顧客向けには、企業チャッチフレーズのようなものを作る必要があります。
「ありがとう」という経営理念がないを意味するのか?
「ありがとう」という経営理念がことばだけではなく、経営者を始めとする全社員が理解しているのか? それは、単なる会社のためだけではないことを証明していかねけれなりません。その上、ドラッカーが説く以下の6項目が必要になるのではないでしょう?
1.成し得るべきもの決める。
2.仕事に責任をもたせる。
3.仕事を常に進化させる。
4.学び、教える組織をつくる。
5.達成するものを明らかにする。
6.仕事の価値を明らかにする。
一人ひとりとの社員と真剣に向きある姿勢
最終的には、十把一絡げの「社員」ではなく、どんな社員数が多くても一人ひとりと真剣に向きある姿勢が経営陣には必要です。会社は、顧客から社員が価値の交換により得た資金により運営されるわけです。ですから、末端の社員が「顧客を見る」というマーケティング視点が重要になります。パート・アルバイト・契約社員を問いません。言い換えれば、社員幸せ創造業のようなものです。社員のためのの時間を十分にとって、社員を顧客と同様に考え、社員一人ひとりの価値感を理解する必要があります。