コンピタンス経営とは
コア・コンピタンス経営(Core Competence)とは、「競合他社には真似することができない核となる圧倒的な能力」のことです。経営学者のゲイリー・ハメルとC・K・プラハラードが1990年「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌に寄稿した論文の中で提唱した経営戦略における重要な考え方です。この論文はその後アップデートされ、共著『コア・コンピタンス経営』(日本経済新聞出版社 1995年)として刊行されています。その論文がネットでも掲載されましたので英文ですが読んでみました。その中で私の感じたことを書いてみようと思いました。
コンピタンスなど殆どの会社には不可能
コンピタンスとする競合他社には真似することができない技術など存在はしない。そして、その能力は一部の企業に限るということです。ですから、コアコンピタンス経営は不可能な経営となるのです。ですが、この論文を読み進めると。「その「能力」とはなんなのか?」という疑問が発生します。更に読み進めると「競合他社には真似することができない核となる圧倒的な能力」とは、技術ではなく精神や考え方であるこということです。つまり、「競合他社には真似することができない核となる圧倒的な技術・サービスなど」を獲得しようとする経営の精神的な部分となり、それを目指す企業経営ということになります。
「他社と同じように」では、未来市場の主導権は握れない!
ここで理解できたのが。この経済の荒波の中で存在し続けるには、「他社と同じような経営やマーケティングをしっかり学んでいない企業の未来はない!」ということになります。とにかくコアコンピタンス経営を目指すには、技術革新や新たな挑戦が必要になります。「変わることを良し」とする経営や社員のマインドを育て上げるしかありません。子供の頃「他と同じように」と言われた潜在意識をどこまで消し去ることが出来るのかが、大きなキーになるのではないでしょうか?
目指せるコアコンピタンスとは?
技術よりもマーケティングで他者と異なった市場を目指した方が現実的かも知れません。そもそも競合の存在しないゾーンで闘いから逃れることも可能ではないでしょうか? それも不可能なのであれば、サービス面で電話の応答・5S・会話力など小さなことを一つ一つ丁寧に行うことで他社には真似ができない企業にすることも可能ではないでしょうか?どうしても、製造などのメーカーだけの話ではなく、自社として「小さな日本一」を目指すことも重要ではないでしょうか?
もちろん、この話は中小企業ヘ向けての私の感想です。
ゲイリー・ハメル,C・K・プラハラード『コア・コンピタンス経営』